排泄ケア研究発表
IAD、褥瘡予防に寄与する製品を選び、
心のこもったケアを追求する
富山県厚生農業協同組合連合会
滑川病院(富山県滑川市)
横山真代 副看護部長(皮膚・排泄ケア認定看護師)
おむつ内環境に目を向けたケアを進めて、変化を実感
当院に入院されている褥瘡患者の大半がおむつ使用者で、おむつ内環境の改善は褥瘡対策チームの大きな課題です。最新の皮膚・排泄ケア製品の情報収集もWOCナースの役目のひとつ。
「SkinCondition」も、ユニ・チャームさんのお話を伺い、さらに褥瘡学会のブースで詳細を聞いたことから試用の運びになりました。ちょうど、発赤やかぶれで苦しまれている患者さまについて、担当看護師から相談があり、その方に使ってみようとなったのです。
ただ当初は、摩擦・ずれを軽減するというスライドシートを見て「こんなに薄くて本当に効果があるの?」と半信半疑でした。けれど、その心配は杞憂でしたね。おむつ内環境から見直したケアを進めたことで、肌状態はみるみる改善しました。その間わずか1カ月。IADリスクを高める浸軟も軽減され、特におむつ内がムレがちになる夏場には活躍してくれそうだと感じました。何より患者さまの変化を目の当たりにしたスタッフが、ケアへの関心を高めてくれたことがうれしかったですね。
褥瘡等の処置で使っているライフリーの「吸収シート」も吸水性がよく、現場で重宝しています。当院では入院セットの導入を検討していますが、「SkinCondition」は試用の好結果を受け、全病棟での採用を見込んでいます。
院内の多職種が連携。皮膚・排泄ケアの強化をめざす
昨年、尿道カテーテル早期抜去と排尿自立を支援する排泄ケアチームが発足しました。今後は褥瘡対策チームとも連携し、多職種一丸での褥瘡、IAD予防、そして自立排泄支援の強化を図っていきます。中でもIADは、皮膚表面のみならず内部組織まで障がいされるだけに、患者さまの苦痛も大きく、治療も大変です。だからこそ大切になるのが日々の予防的ケアであり、基本となる「洗浄・保湿・保護」の徹底も進めていきます。
私は、背抜きの際には「自分の手はいくらこすっても、患者さんの肌は絶対こすらない」ようスタッフに伝えています。そうした小さな心がけひとつ、気持ちのこもったケアができるかどうかも、結果に違いを生むと思います。たとえ高機能なケア製品を導入してもおざなりな使い方では意味がありません。手技に関しても、統一化やレベルアップを図り、患者さまによりやさしい看護ケアを追求していきたいと思います。
ご使用のライフリー製品
富山県厚生農業協同組合連合会 滑川病院(富山県滑川市)
市内唯一の公的総合病院である滑川病院。地域に寄り添った医療を探求する同院で、褥瘡対策チームのリーダーを務め、皮膚・排泄ケア領域の窓口として活躍しているのが横山真代看護師です。1カ月の試用で効果を感じたライフリーの尿とりパッド「SkinCondition」の導入を機に、ケアの質をより高め、病院一丸となった褥瘡、IAD対策をめざしています。
こちらの記事は、ユニ・チャームが病院・施設向けに配布している『ライフリーいきいき通信 2019年初夏号』に掲載している内容です。