排泄ケア研究所 活動報告
第32回 日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 スイーツセミナーレポート
「ケアの質も効率もあきらめない スキンケアの新常識」
2023年7月28日
高齢者の皮膚は脆弱で予防的なスキンケアが重要です。さらに今後は医療現場で進むタスク・シフト/シェアに備え、シンプルで継続できるケア方法の選択が求められます。
そこで、ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所は、2023年7月9日 第32回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会において、「ケアの質も効率もあきらめない スキンケアの新常識」をテーマに、東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 プライマリケア看護学領域 准教授 溝上祐子先生をお迎えし、スイーツセミナーを開催しました。
第32回 日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 スイーツセミナー
テーマ:ケアの質も効率もあきらめない スキンケアの新常識
-より簡単・より短時間・より継続できる陰部洗浄・おむつのイノベーション-
これからあらゆる場で求められる!効率性を追求したスキンケア
東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 プライマリケア看護領域 准教授
溝上 祐子先生
*Point
予防的スキンケア
- 高齢者の皮膚は脆弱。だからこそ「洗浄」「保湿」「保護」の予防的スキンケアが重要。
- 浸軟は皮膚障がいのベース因子となりやすく、保護ケアは欠かせない。おむつの重ね使いは避ける。
洗浄剤の選び方
洗浄の基本として「泡洗浄」を伝えてきたが、研究開発が進んでおり情報をアップデートする必要がある。
- 泡質で洗浄力が変わる。きめ細かく高密度な泡は、物理的な力が働き吸引力が高まる。
- おしり洗浄液タイプは、工程がシンプルで簡便であり、あらゆる職種で継続できるケア方法としておすすめ。
- 臨床現場のWOCナースへのインタビューから、泡以外の洗浄剤を用いて効率改善や感染予防対策を図るケースが増えていること、スタッフの多様化が進んでいることがわかった。
効率性を追求したスキンケア
- 看護のタスク・シフト/シェアを考えると、WOCナースは専門家として皮膚障がいのリスクをアセスメントし、低リスク者には技術的に難しくない方法を取り入れて看護補助者等に託し、高リスク者は看護師が受け持つような振り分けが必要になってくるのではないか。リスクを考えるとあれもこれもダメとなってしまうので意識改革も必要。さらに、経営層を説得するには、ケアの質に加えて業務負担やコストを減らす視点も持つ。
- これから求められるのはシンプルに誰でも実践できるケアであり、発想の転換が重要となる。
予防発想!肌トラブルリスクを減らす最新のおむつ・ケア用品
ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所
*Point
- タスク・シフト/シェア、職員の多様化、感染予防の徹底など、新たな時代に向かっておむつやケア用品が進化している。
- おむつ交換回数は年々減少傾向で、夜間の交換削減による睡眠確保や日中の多頻度交換の見直しが広がっている。
- おむつは高機能化が進み、長時間安心して快適に使用できるよう機能が強化されている。ケア用品は、洗浄・保湿・保護をベースに、簡便で時短が図れる商品が開発されている。
- 陰部洗浄はケア方法も重要で、1日1回必ず陰部だけでなく臀部までケアをすること、飛び散りを抑えるかけ方、仕上げは乾いたタオルで押さえ拭きなど、手技を周知徹底することがポイント。
- 最もリスクを減らすのは“排泄物を肌に付けないこと”であり、トイレ排泄や排便コントロールの取り組みは欠かせない。
参加者の声
「とても学びになりました。時代に沿って意識改革が必要だと改めて感じました。」
「洗浄方法について考えさせられた。院内のケアを見直すきっかけとなりました。」
「効率的、感染予防、再現性の高いケアができるような対策を検討したいと思いました。」
「新しい方法の選択肢が増えました。」
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溝上先生監修今、知っておきたいIAD(失禁関連皮膚炎)その予防のためのスキンケアとは?
◎ お問合せ
ユニ・チャーム株式会社 排泄ケア研究所
grp-haisetsucare@unicharm.com
ユニ・チャーム排泄ケア研究所
2000年設立。全国の施設・病院で排泄ケアの実態調査などを行いながら、医師、看護師、介護福祉士、理学療法士など社外専門家との共同研究活動も展開。
また、排泄ケアの知識や技術を広く社会に普及するため、学校や地域での啓発活動も実施している。