排泄ケア研究所 活動報告
第35回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 (2026年7月11日・12日)
グローバル排泄ケア研究所 参加レポート
2026年9月4日
医療・介護現場の喫緊の課題である「生産性向上」や「人材定着」に対し、排泄ケアを通じた解決策をセミナーと展示ブースにて発信いたしました。セミナーでは座長に溝上祐子先生(東京医療保健大学教授)、講師に竹之内美樹先生(いちはらメディカルグループ統括看護部長/皮膚・排泄ケア特定認定看護師)をお迎えし、『新発想のスキンケア~簡単・時短・継続を追求した質の高いスキンケアに向けて~』と題したセッションを開催。現場の課題に寄り添う大変有意義な時間となりました。
*セミナー概要
1. 『ライフリー 一晩中安心さらさらパッド SkinCondition コンフォートナイト』の臨床検証結果とIAD(失禁関連皮膚炎)にいついて
テープ止めおむつを使用している高齢者12名(平均年齢84.4歳、要介護3~5)の方において、最新の高機能尿とりパッドを使用して頂き、「もれ」や「肌の角層水分量」などについて評価した内容を発信させていただいた。また、竹之内先生よりIADに関する基礎知識をはじめ、陰部洗浄やIAD処置の実践的なポイントについてご講義いただく中で、何よりもスキントラブルは原因を未然に防ぐケアが重要であると発信いただきました。
2. 『ライフリー おしり洗浄フォーム SkinCondition』によるケアの質向上と時短
竹之内先生のご所属施設での試用事例をご紹介。現場からは「こびりついた便もしっかり落とせた」「皮膚がしっとりする」「業務の時短につながった」といったポジティブな声が挙がり、スキンケアの質向上と業務効率化を両立できる点についてコメントをいただきました。
3. スキンケア視点を取り入れた「トイレ排泄支援リフト」の活用
溝上先生より、ベッド上ではなく「トイレで排泄すること」の重要性をご指摘いただきました。さらに、点ではなく“面”で患者様の身体を支えるリフトの活用が、スキンケアの観点からも非常に有効であるという知見を発信していただきました。
*参加者からの質問
Q. 臨床検証で「もれ」を評価されたとのことですが、対照品と比較して具体的にどのような数値変化がみられたのでしょうか?
A. 試験品は「一晩中安心尿とりパッド SkinCondition コンフォートナイト」、対照品は自社の従来品を使用して検証を行いました。
■もれ率(おむつのあて方条件は同一/尿とりパッドからのもれはすべてカウント/計998枚のパッドを確認)
試験品(9.6%)は、対照品1(15.6%、P<0.05)および対照品2(17.8%、P<0.01)と比較して有意に低い値となりました。
学術集会で紹介した『ライフリー 一晩中安心さらさらパッド SkinCondition コンフォートナイト』
Q. 『業務の時短につながった』とのことですが、具体的にどのような手順が省略されたのでしょうか?また、スタッフ間での手技の標準化は容易でしたか?
A. 従来ボディソープを使用していたケースでは、お湯の準備、洗浄ボトルの準備・洗浄・乾燥、および洗浄時の「すすぎ」工程が省略できます。また、シーツへのすすぎ濡れの心配もなくなります。手順や工程がシンプルなため、手技の徹底や標準化も比較的容易に行えます。
学術集会で紹介した『ライフリー おしり洗浄フォーム SkinCondition』
Q. リフトの導入にあたっては、スタッフの操作手順の習得や導入初期の手間が課題になるのではないかと危惧しています。スキンケアや自立支援の視点から、現場に定着させるためのポイントや運用のコツはありますか?
A. 施設や病院内で、課題や目的意識をしっかりと統一することに尽きると思います。現場にはさまざまな課題があると思いますが、例えば「トイレを利用できる状態であるにもかかわらず、おむつ内で排便してしまっている」といった事実に着目すると、現場スタッフもハッと気づかされることが多いはずです。スタンディングリフトの操作性自体は車いすの操作と大差なく、習得は難しくないため、スタッフ全員で使用することが可能です。
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◎ お問合せ
ユニ・チャーム株式会社 グローバル排泄ケア研究所
2000年設立。全国の施設・病院で排泄ケアの実態調査などを行いながら、医師、看護師、介護福祉士、理学療法士など社外専門家との共同研究活動も展開。
また、排泄ケアの知識や技術を広く社会に普及するため、学校や地域での啓発活動も実施している。