排泄ケア研究発表
自立排泄、在宅復帰をめざす
公益財団法人 日産厚生会
介護老人保健施設
佐倉ホワイエ
(千葉県佐倉市)
佐倉ホワイエ様では、利用者様の自尊心を大切に、自立支援に力を入れています。「昼はパンツ」、でも「夜はモレが不安だからテープ止め対応」という実態も多い中、“利用者様の快適性、介助者の業務効率の改善、コスト削減”の3つの観点から「終日パンツ」による自立排泄支援を積極推進しています。今回、この取り組みをさらに強化すべく、足ぐりのフィット性を高めた新リハビリパンツのモニターテストを実施しました。顕著な変化があった利用者様お二人の結果をご紹介します。
「足ぐりフィット効果」でモレトラブル減少!トイレ排泄の機会も創出!
新リハビリパンツを1週間お試しいただきました。
- ※ 現在のご使用品と新リハビリパンツを各1週間着用し、モレ状況を確認した結果を比較
「パンツをはけた!トイレに行けた!」自立排泄、居宅介助の実現に向けて邁進中です
介護課 主任 関口翔平さん
当施設では「自立排泄」に力を注いでおり、夜間にカバータイプを使用していた利用者様のパンツへの切り替えにも積極的に取り組んでいます。ベッドでのパンツ交換は大変だと思われがちですが、当施設ではお尻を浮かせる「プッシュアップ」をリハビリに採り入れるなどしてスムーズな交換を心がけています。
今回のモニターテストでは、終日カバーだったB様が、新リハビリパンツでのトイレ排泄にチャレンジされ、自立排泄への第一歩を踏み出しました。私たちは利用者様一人ひとりの排泄時間帯をある程度予測した上でトイレを促します。B様に対しても時間を見計らって「おしっこどうですか」と声がけするとトイレ排泄ができるようになりました。私たちは、利用者様が在宅に戻っても同じように排泄を続けてほしいと考えています。終日パンツでトイレ排泄できれば、ご家族の介助負担は大きく軽減されるはず。モニターテストの好結果を受け、これからも自立排泄に向けたケアに邁進していきます。
パンツの機能性を把握し、細やかにケア!モレが減って、スタッフの意識も向上しました
足ぐりギャザーのフィット感が増したことや、ウエスト部分がソフトになって軽い力でも上げ下げできることなど、新リハビリパンツの機能性を、事前にスタッフが把握した上でモニターテストを実施しました。加えて、パッドをギャザーの内側にきちんとおさめ、隙間ができないようしっかり上げるなど、その利点を十分発揮できるよう留意しながら排泄ケアに取り組みました。結果、A様の場合に顕著だったように、モレトラブルの軽減につながりました。また利用者様には、肌トラブルもなく、今までと変わらず違和感なくご使用いただけました。
尿モレ、便モレは、利用者様にとって不快なばかりでなく、スタッフの労力面で負担となり、コスト増の主因にもなります。新リハビリパンツのモレ防止効果には大いに期待しています。細やかな排泄ケアの大切さをスタッフ全員で共有できた点も、今回の成果のひとつだと思っています。
介護課 副主任 藤江 誠さん
スタッフの皆さんへのアンケート結果
- ※ グラフ内の数字は少数点以下を切り捨てています。
公益財団法人 日産厚生会
介護老人保健施設
佐倉ホワイエ
(千葉県佐倉市)
ホワイエ(囲炉裏)のような温かさで、自立排泄、在宅復帰をめざす。
こちらの記事は、ユニ・チャームが病院・施設向けに配布している『ライフリーいきいき通信 2016年秋号』に掲載している内容です。