排泄ケア研究発表
離床を促す排泄ケアへの取り組み
社会福祉法人 百鴎
介護老人福祉施設 葉山清寿苑
(神奈川県葉山町)
葉山清寿苑様では、離床を促す排泄ケアへの取り組みとして、『ライフリー長時間安心さらさらパッドプレミアム』をお試しいただき、昼間13時のおむつ交換を見直す検討を行いました。
利用者様の変化や、スタッフの方々の感想をご紹介します。
新しい排泄ケアの取り組みとは?
日中のおむつ交換の多さにより利用者様がベッド上で過ごすことが多いため、日中のおむつ交換の回数を見直しました
検証方法:終日テープ止めを使用し、特にモレや肌トラブルが気になる女性の方を対象に1週間、9時から16時まで『長時間安心さらさらパッドプレミアム』を使用。
取り組み後の検証結果は?
モレトラブルの懸念が払拭されました
- ※9:00~16:00 の衣服・シーツまでの外モレとテープ止めの汚染の内モレをカウント
肌の浸軟リスクが大幅に低減しました
- ※SKICON 測定による平均値、μS(マイクロジーメンス)電気の伝わりやすさで水分量の大小を指標化。
- ※おむつ非使用者の殿部の角層水分量50~100μS
おむつ交換の見直しにより、業務上で様々な変化がみられました
- トイレ介助をより丁寧に行えるようになった
- 時間に追われず気持ちにゆとりがもて、利用者様への対応がやさしくできると思う
- 気持ちにゆとりができて丁寧に一人一人の介助を行えるようになった
- レクなど利用者様とのコミュニケーションが増えた
日中のおむつ交換の見直しで利用者様とのコミュニケーションを活発に
今回、「日中における新たな排泄ケアの質の向上への取り組み」で試用する、新しい昼用パッドの説明を受けた時、真っ先に思ったことは、スキントラブルなど利用者様への負担がかかるのではないかと、介護スタッフがおむつ交換を減らすことに不安や抵抗感を感じるのではないだろうかという懸念でした。
今回は1週間の検証でしたが、肌への浸軟リスクや臭い、またモレトラブルへの効果など、パッドの進化に驚かされました。もちろん、おむつの随時交換は第一優先ですが、検証の結果をもとに利用者様にあったケアの中で、パッドの性能を活かしたおむつ交換の見直しを行うことにより時間を創出させ、レクリエーションや語り合いなど利用者様とのコミュニケーションにもっと活用できるのではと考えています。それが利用者様の生活の質の向上となり、さらに介護スタッフの“介護業務へのやりがい”にもつながっていくものと思われます。
利用者様の離床時間が長くなり、リビングで過ごす時間が長くなりました
新しい昼用パッドの試用は、私がリーダーを務める排泄委員会が中心となって検討し、実施しました。試用を始めてからは、おむつ交換の度にベッド上へお連れする機会が減ったことで、今までベッド上で過ごすことが多かった利用者様の日中での離床時間は長くなり、座っている時間が増えました。また、従来のパッドに比べ長時間の装着でも尿のモレは低減していて驚きました。外モレがなくなり、衣服やシーツをかえる負担が減るのは利用者様のためにも良いことです。また、おしりがさらさらの状態に保たれるなど機能の良さも実感しました。
介護スタッフでは、おむつ交換が減ったことで時間と気持ちにゆとりが生まれ、これまで以上にコール対応や見回りなどにしっかり対応できるようになりました。これは、利用者様が快適に過ごせることにも通じると思っています。実際に創出できた時間を利用し、歩行訓練が必要な方に「今、歩行の練習をしましょうか」と、声をかけられるようになりました。
スタッフ様へのアンケート結果(回答者数20名)
Q.おむつ交換の見直しによって創出された時間をどのように活用されましたか?(複数回答可)
Q.おむつ交換の見直しを行ったことによる利用者様の変化を教えてください。(複数回答可)
社会福祉法人 百鴎
介護老人福祉施設 葉山清寿苑
(神奈川県葉山町)
入所者の意思及び人格を尊重する高齢者総合サービス介護施設。
自然豊かな丘の上に立つ。療養室80床。
こちらの記事は、ユニ・チャームが病院・施設向けに配布している『ライフリーいきいき通信 2015年冬号』に掲載している内容です。『ライフリーいきいき通信 2015年冬号』はPDFファイルをダウンロードできます。