排泄ケア研究発表
おむつ交換回数を見直し、個別ケアの推進力に
帝塚山福祉会
介護老人保健施設
雅秀苑(がしゅうえん)
(大阪市住之江区)
“質の良いケアを提供し、やさしく生命(いのち)をまもります”という理念のもと、質の高い介護サービスを提供している雅秀苑では、ライフリー商品の導入を機に、それまで7回だったおむつ交換を3~4回へと大幅低減しました。導入当初は半信半疑だったものの、取り組みを進めるうち、“より質の高い排泄ケアが実現できる手応え”が得られたとスタッフの皆さんは口を揃えます。モレ率やスキントラブルの低減、業務負担軽減から生まれる“笑顔の連鎖”など、取り組みがもたらした数々の変化をご紹介します。
ライフリー商品を導入し、排泄ケアの個別化を実現するまで
これまでは・・・頻回な交換が利用者様のためだと考え、1日7回交換を実施。パッドを重ね当てすることも
そこで!・・・ライフリー商品(一晩中安心さらさらパッド、おしり洗浄液Neoなど)を導入
最初は交換回数を減らすことに不安も…。
今では、排泄ケアの個別化が進み、スタッフの意識も向上!
7回交換、パッド2枚重ねが当たり前だった私たち。最初は「こんな少ない回数で大丈夫?」と半信半疑でした。ところが心配していたモレはおろか、却って排泄ケアのレベルは格段にアップしました。
ベテランほどケアは我流になりがちですが、ユニ・チャームさんとの勉強会で基本に立ち返った適切な手法を学んでいることも大きいと思います。そのつど利用者様の状態や表情をよく見るようになり、尿量に合わせたパッドを使うことで、丁寧かつ個々人の排泄パターンに則った個別ケアが実現できるようになりました。
排泄ケアに対する私たちの取り組み意識も向上しています。今後も施設一丸となり、利用者様本位のケアを進めていきます!
今では!・・・4回交換(一部では3回交換)を実施
良眠確保、スタッフのゆとり創出を実現!
施設全体に“笑顔の連鎖”が広がりました
おむつ交換が7回だった頃、夜勤スタッフは朝の申送りに疲れ切った表情で臨んでいました。絶え間ないおむつ交換やトイレ誘導、認知症の利用者様のBPSDへの対応など、心身に重い負担が生じていたのです。何度も起こされる利用者様もよく眠れず、睡眠薬に頼りがちでした。それがライフリー商品導入を機に、思い切って交換回数を減らしたことで、スタッフに時間と気持ちのゆとりができ、申送り時の表情もすっきり穏やかに。そうした気分はともに働く他のスタッフや利用者様にも連鎖します。昼夜にわたりスタッフの笑顔が増え、ケアの質もぐっと向上したと感じます。BPSDや睡眠薬服用による転倒のおそれが減り、褥瘡の発生率も低くなったおかげで利用者様には日々より健やかに過ごしていただけるようになりました。
さらに!・・・数々の効果を実感し、さらなる取り組みを推進中!
清潔ケアが充実し、快適にぐっすり
3階は認知症の利用者様のフロアです。長くベッドで過ごされる方も多く、スキントラブルには苦慮していました。さらさらなパッドと洗浄液の活用によって肌がきれいになり、利用者様にはぐっすり眠っていただけるようになりました。
3回交換でもモレの心配を解消
4階では3回交換を実施中ですが、長時間の利用でも、懸念していたようなムレはなく、尿量が多くてもモレることはありません。何より利用者様の体の負担が軽減されたことが嬉しいですね。私たちにも時間的ゆとりができました。
食事+排泄の3回交換で、生活リズムも整うように
1日3回交換になって、朝昼晩の食後しばらくして排泄というパターンが確立できました。生活リズムが整ったことで夜の中途覚醒も減り、利用者様は日中も柔らかな表情で過ごされるように。時間管理がしやすくなって、私たちの業務効率も上がりました。
モチベーションが上がり、次はパンツ化も視野に
パッドの選択肢が増えたので「これを利用しない手はない」と、みんなで知恵を絞り、パッドリストをカラーで作成。「見える化」の結果、ケアの標準化が進み、スタッフの取り組み意欲も増しました。今後は「パンツ化」も視野に、自立排泄支援に注力していきたいと思います。
帝塚山福祉会
介護老人保健施設
雅秀苑(がしゅうえん)
(大阪市住之江区)
質の良いケアを提供し、やさしく生命(いのち)をまもります。
こちらの記事は、ユニ・チャームが病院・施設向けに配布している『ライフリーいきいき通信 2017年春号』に掲載している内容です。