排泄ケア研究発表

おむつ交換回数削減とスキンケア方法の改善で利用者の良眠確保

社会福祉法人 信愛報恩会
介護老人福祉施設 信愛の園
(東京都清瀬市)

特別養護老人ホーム 信愛の園では、利用者様の良眠確保のため『ライフリー 一晩中安心さらさらパッド』を使用し、明け方4時のおむつ交換を減らし、同時にぬれたタオルの使用を止め、洗浄後、乾いたペーパーで拭くケアに切り替える取り組みを実施しました。
これらの取り組みの効果について、アンケートに答えていただくと共に、スタッフの方々に詳しくお話をうかがいました。

朝4時に起こされるのは?相手の立場に立つことがケア見直しのスタートでした

課長補佐 有田多美子さん

まずは「利用者様の立場に立って考える」ことが、排泄ケア委員会の出発点でした。毎朝4時に、排せつ介助のために起こされたら、どんな気分になるかと。では、何を改善すればその時間を取り除けるか。「こうやってみよう」「こうしたほうがいいんじゃないの」と、皆が具体的な意見を出し合い、様々な商品を試すことで、今のケアの形が生まれました。今後も、一人ひとりに合ったケアをさらに進めて行きたいと考えています。

尿意・便意のなかった方がトイレで排泄できるようになりました

梶原とく子さん

新しいパッドを夜9時につけて、朝9時に開けてみて、お尻が冷たくなかったのでびっくりしました。これなら絶対いけると思いましたね。
明け方のケアがなくなり、夜よく眠れるので、昼間活動的になった方も増えています。リクライニング車いすで尿意・便意のなかった方が、今は車いすで、尿意・便意あり、トイレで排泄できるように。
以前は、朝食後はすぐ部屋に戻っていたのですが、最近はリビングで、皆でテレビを見るようになりました。

おむつ交換見直しとケアアドバイザーさんのひとことが「考えるケア」のきっかけに

内盛美奈子さん

交換を減らすことは、「サボること」のような気がして、実は抵抗がありました。でも、ユニ・チャームのケアアドバイザーさんの「商品が改良されているのに、同じケアでいいのですか」という言葉が胸にすとんと落ちて。空いた時間で、利用者様一人ひとりを観察しながら、皆でより良いケアについて話し合うようになりました。今回の取り組みが、流れで行うケアから、より考えるケアへと変わるきっかけになったと思います。夜熟睡できるので、利用者様が「ご飯がおいしい」とおっしゃるのも嬉しいですね。

スタッフ様へのアンケート結果(回答者数20名)

Q. 夜間のおむつ交換の見直しを行い、創出された時間をどのように活用されていますか?(複数回答可)

ナースコールの対応や見回りがしっかりと行えるようになった:90% ・日勤の準備の充実や日勤業務の前倒しを行うようになった:70% ・記録にあてる時間が増えた:70% ・利用者様の睡眠の観察をしっかり行えるようになった:50% ・夜勤者同士でのコミュニケーション量が増えた:25%

Q. 夜間のおむつ交換の見直しを行い、利用者様の変化を教えてください。(複数回答可)

よく眠れている感じがする:100% ・精神的に安定されたように感じる:30% ・日中の活動量が増えた:15% ・笑顔が増えた:15% ・日中の会話が増えた:10% ・食欲が増加した:10%

Q. おしり洗浄液Neoのお気に入りの点を教えてください。(複数回答可)

香りが良い:65% ・排泄臭が減った:55% ・すすぎの必要がなく、洗い流すだけなので便利:45% ・おしりがしっとりした感じがする:35% ・お肌の状態が良くなった:35% ・尿・便の汚れが落ちやすい:25% ・容器がコンパクトで持ち運びしやすい:25%

こんな効果が報告されています!

夜間のおむつ交換を減らしたら…利用者様の変化 ・夜ぐっすり眠れることで、 利用者様に食欲が出てきた。 ・スタッフに余裕があるので、利用者様も気軽に話しかけるようになり、笑顔が増えた。 ・夜よく寝ているため、 昼間は活動的な利用者様が増えた。 スタッフ様の変化 ・記録などの業務を夜に回すことで、昼間の業務を効率化できた。 ・スタッフにゆとりが生まれ、一つひとつのケアを丁寧に行うようになった。 ・以前は流れでやっていたケアから、考えるケアへと変わった。 清潔ケアを工夫したら…利用者様の変化 おしり洗浄液Neoでしっかり汚れを落とした後、乾いたタオルで拭くケアに。以前使用していたぬれタオルはホットキャビネットごと撤去。→利用者様のお肌がすべすべになった。 スタッフ様の変化 ・におい削減のため、おむつを個別の袋に入れて廃棄を徹底。→台湾からの見学者が、においの少なさに驚いていた。

時間に追われなくなり一回のケアを丁寧に行えるように

石原清子さん

朝起こしてもなかなか目覚めなかった方が、自分で起きてくるようになりました。スタッフには時間の余裕ができたので、個々のケアをより丁寧に行えるように。早朝の慌ただしさがなく、落ち着いて利用者様の様子が見られるようになりました。

ナースコールに迅速に対応できるように

松田裕樹さん

おむつ交換削減で生まれるゆとりは、非常に大きいですね。以前は、明け方にナースコールに対応しながらおむつ交換をしていましたが、今は、夜には記録などすぐ手を離れる仕事を集中させているので、ナースコールにもすぐ対応できます。

食欲アップの変化は利用者様が熟睡できたから

鈴木千果さん

朝、食堂にお連れすると、車いすでそのまま眠ってしまう方が多かったのですが、最近はしっかり目を開けて、ご飯もよく召し上がります。スタッフがやり方を変えることで、利用者様の負担も減る。この1年で良い方に変わってきたと思います。

夜ぐっすり眠れることで利用者様の笑顔が増え、フロア全体に活気が生まれています

課長 増岡ちどりさん

グループ病院から2年前に異動になった時、自立排泄ケアへの取り組みが課題と感じました。
まず利用者様の立場になり、おむつ交換のために朝4時に起こされるのはどんな気分なのかを排泄委員全員で考えました。さらに、ユニ・チャームのケアアドバイザーさんからの「商品が新しく変わったら、ケアも変えるべき」との問題提起でスタッフの心が動きました。ケアアドバイザーさんは、現場の課題を気づかせてくれる存在です。

今回は、明け方のおむつ交換を思い切って止めました。ぐっすり熟睡していただけるため、利用者様の昼間の活動が活発になり、笑顔も見られるようになりました。以前は、「皆忙しそうで声をかけづらい」という利用者様の声がありましたが、スタッフにもゆとりができ、お声かけも十分にできるため、会話も増えてきました。そういった小さな変化が、フロアに良い雰囲気をつくりだしています。さらにパッドの使用枚数は月4000枚減り、おむつ代を大幅に削減できました。

また、洗浄後ぬれたタオルで陰部を拭くケアをしていましたが、おしり洗浄液Neoでしっかり汚れを落とした後、乾いたペーパーで拭くケアに変更したところ、利用者様のお肌がすべすべになりました。

今後は、さらに自立排泄の取り組みを進め、1日1回でもお手洗いで排泄できる方を増やしていきたいですね。

社会福祉法人 信愛報恩会
介護老人福祉施設 信愛の園
(東京都清瀬市)

人間性を尊重した利用者本位の援助を行う、高齢者総合介護サービス施設。
療養室は182床、入所は定員182名。

こちらの記事は、ユニ・チャームが病院・施設向けに配布している『ライフリーいきいき通信 2015年秋号』に掲載している内容です。『ライフリーいきいき通信 2015年秋号』はPDFファイルをダウンロードできます。