排泄ケア研究発表

施設全体で取り組む排泄ケア

排泄ケアに関する実践 ~水様便から普通便へ~

医療法人社団芙蓉会 二ツ屋病院
介護スタッフ 米谷 圭子

はじめに

私たちの病棟では、排泄ケアのマニュアルを作成し、平成22年度から今に至るまで排泄の知識や技術を学んできた。しかし、現場でご家族より苦情をいただき、自分たちのケアに問題があると考え、スタッフ全員で見直しを行い、勉強会での学びを実践し有用性が得られたためここに報告する。

実践前の状況

  1. Aさんは、毎日下剤を服用していた。シンラックは、介護職員も服用介助していた。介護職員のシンラック服用介助されていた量が統一されていなかった。
  2. 排便の記録はあったが、便の性状、客観的な情報が把握できていなかった。
  3. 下剤使用により水様便、泥状便が多く、おむつ内に収まらず、もれることが多かった。(夜間の水様便及び泥状便のもれを防止するため、おむつカバーを使用していた)
  4. 定時のおむつ交換時間は5時、10時、14時、20時で夜間尿とりパッド2枚当てをしていた。(仙骨部も少し発赤あり)
  5. 汚れ物は私物のバケツに入れておき、ご家族が持ち帰っていた。しかし、ご家族に汚れ物に対する説明がなされていなかった。

対策方法

  1. 介護職員がシンラック服用介助中止し看護師のみとする。
  2. 排便日誌をつけ、食事量、尿量、性状の便がいつ、どのくらい出たのかを分析する。便評価については、ブリストルスケールを用いて評価する。
  3. おむつカバーを使用すると皮膚が蒸れ褥瘡の原因になり、パッド2枚あても患者様の皮膚に圧がかかるため褥瘡のリスクとなり、さらに尿道口がふさがれ尿が出にくくなるリスクもあるため、おむつカバーと尿とりパッド2枚あては中止する。
  4. おむつ交換を4回/日から5~6回/日とする。ゆりりん®測定により尿量は日中少なく夜間に多いことがわかる。尿とりパッドは、1回の排尿量に充分対応できるものを使用。腹部マッサージ開始。
  5. 便で汚れた洗濯物は、洗ってバケツに入れ、洗った職員が日勤の介護職員のリーダーに申し送りをして、ご家族に説明し、洗濯をお願いする。

結果

  1. 与薬は看護師が確実に行った。
  2. 排便日誌より排便時間1時~5時、10時ごろにあるとわかった。尿測により夜間0時~2時、7時に排尿が多いことがわかり、このときにパッド交換をすることにより衣服の汚れも見られていない。
  3. 重ねあて中止することにより、仙骨の発赤も軽減している。
  4. おむつ交換後、何回か身体を預けて腹部マッサージを行い残尿を出し切るケアを試みたが、あまり効果はなかった。

考察

この事例を通して、水様便や泥状便の漏れを防ぐ対処方法に目を向けるのではなく、原因となっていることになぜ?と気づくことができたのが、排便日誌による記録であった。そして、看護師に正確な情報を提供するためには、介護職員の日ごろの観察力が重要であり、ブリストルスケールは看護師と共通認識を図るために有用であった。

終わりに

今後は、患者様一人ひとりに合った排泄ケアを行っていきたいと思う。

医療法人社団芙蓉会 二ツ屋病院

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