排泄ケア研究発表

自然排便を促すための工夫

個別排便計画内容

温罨法

→AM9:00開始15分程座位で実施。 ⇒N氏・M氏・Y氏

  • 詳細は「工夫1:温罨法」参照
運動療法

→排便体操・散歩 ⇒6名全員

  • 詳細は「工夫2:運動療法~おなかスッキリ排便体操!!」参照
食事療法

→きな粉牛乳:毎日、朝食時 ⇒N氏・I氏・K氏に混ぜる。
プルーン :毎日、朝食時に2ケ摂取。

  • 詳細は「工夫3:食事療法」参照
排便時間
→朝食後、必ずトイレに座る ⇒U氏・Y氏・M氏・K氏・習慣をつけてもらう。(K氏は昼のみ)
観察項目
  1. 排便回数・便性状の変化
  2. 下剤使用回数の変化
  3. 表情・発言の変化
記録方法・排便日誌
例:1~3日の記録
  1日 2日 3日
温罨法[朝食後] 実施 実施 実施
排便体操【リハ】     実施
排便体操【介】 実施 実施 実施
プルーン【朝】 2杯 2杯 2杯
アローゼン 1/2包 1/2包 1/2包
ピコスルファー      
トナトリュウム
センノサイド      
GE      
水分チェック 900 800 950
食事量 主食 全量 全量 4/5
朝 副食 全量 全量 3/5
食事量 主食 全量 4/5 全量
昼 副食 全量 4/5 4/5
食事量 主食 全量 全量 全量
夜 副食 全量 3/5 全量
排便時間 1回目[朝食後] 12:50 9:50 9:00
排便状況・量 普 小 普 中 普 中
排便時間 2回目[朝食後]   12:50 17:00
排便状況   普 中 普 小
排便時間 3回目      
排便状況      
腹部不快感の有無
排便時の心境 スルリンと スルリンと 少し踏ん張ったか
合計回数 1 2 2

工夫1:温罨法

温罨法に使用:ユタンポ

  • 使用時、45℃に設定し腹部にあてる。
  • 注意として低温火傷が考えられる為、専用袋にタオルを巻き、15分~20分程実施

工夫2:運動療法~おなかスッキリ排便体操!!

  1. 足上げ腹筋運動

    注意点
    • おなかや下腹部に力を入れる様に行いましょう。
    • 回数:10回×2
  2. もも上げ運動

    注意点
    • からだが動かない様に行いましょう。
    • 回数:20回
  3. からだひねり運動

    注意点
    • からだを左右にひねり、20秒間保持しましょう。
    • 時間:10分程度
  4. おなかさすり運動

    注意点
    • 腹部が沈む程度の力加減で押し腸に刺激を与えます。
      この流れを繰り返し、実地します

さぁがんばって継続致しましょう!!

工夫3:食事療法

  • きな粉
    イソフラボンや食物繊維、オリゴ糖、マグネシウムが含まれている。
    また、オリゴ糖は摂取し続けるとビフィズス菌を増やすとされている。
    ※糖尿病でカロリー制限がある方、牛乳を好まない方には、プルーンを摂取して頂く。

  • プルーン
    りんごの4~5倍の水溶性食物繊維が多く含まれている。整腸・緩下作用を促す働きがある。職員から必ず摂取して頂くよう促しを行う。
当施設が使用したきな粉の成分表(100gあたりの栄養成分表)
エネルギー 476kcal
たんぱく質 34.9g
脂質 23.2g
炭水化物 31.9g
ナトリウム 0.1mg

結果

排便日誌(全て数字は平均で表わしている)

開始前
  排便回数 下剤使用回数 追加した下剤量
Y氏 12回 定期薬アローゼン 0.5g 0回
U氏 10回 4回 0回
K氏 7回 9.3回 0回
M氏 11.5回 定期薬アローゼン 0.5g 2・5回
N氏 7回 定期薬アローゼン 0.5g 6・5回
I氏 ※データなし 定期薬アローゼン 0.5g 0回

開始後
  排便回数 下剤使用回数 追加した下剤量 性状の変化
Y氏 17回 下剤中止 0回 ばらつき有
→普通便で安定
U氏 10.7回 3.5回 0回 硬便
→普通便で安定
K氏 5回 1.5回 0回 ばらつき有
→普通便で安定
M氏 8回 定期薬アローゼン 0.5g 1回 特に変化無し
N氏 4.7回 定期薬アローゼン 0.5g 5・5回 特に変化無し
I氏 7.7回 下剤中止 0回 軟便
→普通便で安定

考察・結語

  • 「排便」は生きていくためにとても重要な事であり、便秘により苦痛が生じる。食事療法・運動療法・腹部温罨法を取り入れた結果、排便回数・便の性状・表情に変化が現れた。下剤を使用せず“きな粉・プルーン・体操・温罨法”を上手く組み合わせ活用することで、自然排便を促がすことが可能と考えられる。
  • 個々に適した排便計画を立案し1人でも多くの利用者が、自然に排便できるようにすることが望ましいと考える。今後も下剤の服用が必要であったり、便秘に苦しむ利用者に対して他職種と協力し、個別性を考慮し対応していきたい。
  • 本研究は、2009年7月24日に、「第20回全国介護老人保健施設大会 新潟」でポスター展示発表されました。

介護老人保護施設 サンビオーズ新琴似

それぞれのご利用者が有する能力を生かし、できるだけ自立した日常生活を営むことができるよう医学的管理に基づいたリハビリテーションと介護、食事や入浴など日常生活上の支援、必要に応じた医療を提供します。

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