排泄ケア研究発表

もれないおむつのあて方への取り組み

映寿会みらい病院

舟木千華(映寿会みらい病院 5病棟) 岡田 夏美 洞庭 順子 小島 祐子

はじめに

当病棟では患者のおむつは、重ねあてや個人の主観による統一性のないあて方が行われていた。しかし、おむつ交換を行ううえで、一般的に枚数を少なく、なお且つなるべく薄くあてる事が大切であると言われている。そこで、問題解決として前回先行研究を行ったところ、スタッフの多くは研修を受けた事がなく、知識不足や尿もれに対する不安感から誤ったあて方を行っていた事が明らかになった。
今回、おむつの知識を深め、正しいおむつのあて方を学ぶ目的で研修を行い、新しく学んだ方法に変更した。その前後でもれの状況とパッド数の変化について調査し、どのような変化が見られたかを検証した。その効果と今後の課題が見出せたのでここに報告する。

研究方法

用語の定義「もれ」とは
おむつ(テープタイプ)から尿、便がはみだした状態
1 調査期間
平成18年4月10日~平成18年6月30日
2 対象
5病棟に入院していたおむつ交換を必要とする患者69名
平均年齢83.0±11.1歳
3 方法
おむつ交換は4時、8時30分、15時、20時の1日4回を基本とする。おむつは、ユニ・チャーム社のライフリーテープ止めタイプ(M・L)、ライフリーフラットタイプスーパーロング、ライフリー尿とりパッド男女兼用と、布おむつを使用した。

1)従来のあて方でのもれ調査

(1)もれのあった患者の把握 平成18年4月10日~5月7日
もれのある患者を把握するため、おむつ交換時にもれのあった患者の名前、日時、尿もれか便もれか、便の性状について病棟スタッフに自作の調査表に記入してもらった。
(2)もれの原因調査 平成18年5月8日~5月11日
(1)の調査でもれのあった患者16名のおむつを回収し、ライフリーケアアドバイザーに尿量やおむつの汚染状況から正しくおむつが装着されているか調査をしてもらった。

2)研修会

(1)平成18年5月16日
当院に勤務する看護師、看護補助者を対象として、ユニ・チャーム 排泄ケア研究所 船津氏による研修会を行い、おむつの構造、排泄ケア、おむつの選び方について学んだ。当病棟の参加できなかったスタッフには、資料を配布した。
(2)平成18年5月17日~5月19日
5病棟に勤務する看護師、看護補助者を対象として、ライフリーケアアドバイザーによる講習会を行い、当院使用のおむつの吸収メカニズムや機能、実施前の調査で、パッドが密着していない、ずれてあたっている、折れ曲がったままであたっておりギャザーの機能が活かされていないなど、あて方に問題がある事が明らかになったので、それをふまえ、もれを防ぐ正しいあて方について人形をつかって実技を行った。5病棟のスタッフ全員が三日間のうちいずれかに参加した。

3)実施 平成18年5月22日開始

ケアアドバイザーの講習会で学んだ方法でおむつ交換を行い始めた。以前から使用しているテープタイプ・尿とりパッド1枚を使用し、尿とりパッドはテープタイプのギャザーにはめ込み、体の中心におむつの中心をあてる、テープタイプ、尿とりパッドを山折りにして密着させてあてる、ギャザーをたてる、テープは下のテープからとめ、下のテープは大腿の隙間をなくすように下から上の方向へ、上のテープは腸骨に引っ掛けるようにとめる、という方法を実践した。男性は、テープタイプ・尿とりパッド2枚を使用し、1枚は臀部に、もう1枚はギャザーをたてて陰茎をくるむようにあてた。

4)実施後のもれの調査 平成18年6月11日~6月30日

もれの状況を把握するため、おむつ交換時にもれのあった患者について、名前、日時、尿もれか便もれか、便の性状について病棟スタッフに自作の調査表に記入してもらった。

5)ライフリーケアアドバイザーの指導 平成18年5月22日、6月8日

実施中、専門家に実際におむつ交換に入ってもらい、指導、アドバイスを受けた。

6)尿とりパッドの使用枚数の調査

平成18年4月から7月の尿とりパッドの納品数の調査を行った。

分析

  1. もれの件数の比較と、もれのあった患者の実施前後の変化、特徴、もれの状況の男女差について分析した
  2. 尿とりパッドの納品数について実施前後の比較を行った

倫理的配慮

個人情報は、研究以外の目的で使用しないことを最初に説明した。個別に尿量測定を行う際は、書面と口頭にて説明し、家族に承諾を得て実施した。