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排泄ケアナビに寄せる思い

「自律する高齢者のために」

ユニ・チャーム株式会社
代表取締役 社長執行役員
高原豪久

東海道・山陽新幹線の「のぞみ」に乗車されたら、11号車のトイレをチェックしてみてください。「のぞみ」の11号車には多目的・多機能トイレが設置されています。赤ちゃんのおむつ替えや、車椅子の人などが不自由なく利用できるように設計されたトイレです。オストメイト(人工肛門)用の洗浄台もあります。体の不自由な方でも不安なく普通に旅行ができるように配慮されたトイレです。これは、新幹線が発している「ノーマライゼーション」のメッセージだと、私は感じています。

「ノーマライゼーション」とは、1959年にデンマークの社会運動家ミケルセンが「障害者のためのケア法」の制定に尽力した際に用いた言葉で、「障害者をその障害とともに受容することであり、彼らにノーマルな生活条件を提供することである」としました。それは、障害者や虚弱高齢者をノーマルにするとか、元気にするという意味ではなく、根治できない障害を社会が受け入れ、他の市民に与えられているのと同じ条件を障害者や虚弱高齢者に提供することを意味しています。これは、障害者を健常者と区別して、特別扱いする保護主義に対する反論でもあります。また、スウェーデン生まれでノーマライゼーションの育ての父とも言われるニィリエは、その原則を「ノーマルな要求、ノーマルな環境、ノーマルな経験を尊重することで、障害者に家庭で生活し、外出し、社会と交流する、そんなノーマルな日々を保障することだ」と述べました。

私は「ノーマライゼーション」という言葉に出会い、その考え方を理解するにつれて、ユニ・チャームの使命は、「いつまでも、その人らしく生きることを支援する」ことだと、確信することができました。高齢化が進んだ今日の日本においては、高齢者の方々に、いつまでも「自分らしく生活し続けて」いただくために、「なにをなすべきか」という問いが、ユニ・チャームにとって最重点のテーマのひとつです。

外出先で、尿もれを経験し、恥ずかしい思いをされた方は、外出が怖くなり、自宅に引きこもりがちになってしまい、結果として運動量が低下し、足腰も弱くなってしまう、というお話をお聞きすることがあります。もし、適切なケア用品を利用されていれば、防ぐことができたトラブルであり、とても残念なお話だと思います。加齢に伴う身体機能の衰えを防ぐことは、医療が発達した今日においても難しいことです。しかし、私たちは適切なケア用品を用いて、低下した身体機能をサポートする術を知っています。老眼になればシニアグラスを、耳が遠くなれば補聴器を用いるように。排泄問題についても、ケア用品を活用することで、いつまでも社会的に自立した生活をおくることができます。このことを「ソーシャル・コンチネンス」(社会的自立排泄)と呼ぶようにしています。

日本は世界で最も高齢化が進んだ国です。そして、今後高齢化がさらに進んだ社会で経験するであろう様々な問題は、世界に先例がなく、私たちが試行錯誤をしながら解決するしかありません。この超高齢社会の問題を解決することは、日本国内にとどまらず、日本以上のスピードで高齢化に突き進んでいる、アジア各国に貢献することにもつながります。

私たちを取り巻く社会は、着実に「ノーマライゼーション」の実現に向けて変化しています。公共施設で「多目的・多機能トイレ」が目に付くようになっているのは、その一例です。ユニ・チャームもノーマライゼーションのために尽くし続けていきたいと思います。