排便のメカニズム
消化・吸収のメカニズム
安房地域医療センター
房総健康管理センター
センター長
神山剛一
ブリストルスケールによる便の性状分類
この記事の概要
ブリストルスケールは、便の形や水分量を7段階で分類する指標です。Type 4のバナナ状を基準に、Type 1〜3は乾燥した便、Type 5以上は液体成分を含む軟便として区別する分類です。この分類は、便の通過時間と相関するため、排便日誌に記録し、排便管理に利用します。
ブリストルスケールは、便の形や硬さを7段階に分類するための指標です。便の性状は、大腸を通過する時間や水分の吸収状態を反映します。一般に、大腸を通過する時間が長いほど水分が吸収されて便は硬くなり、通過時間が短いほど水分が多く、軟らかい便や水様便になります。
ブリストルスケール
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ブリストルスケールでは、Type 1はコロコロした硬い便、Type 2はソーセージ状だが硬く塊がある便、Type 3は表面にひび割れのある便、Type 4はなめらかでやわらかいバナナ状の便、Type 5はやわらかい半固形便、Type 6は泥状便、Type 7は水様便とされます。排便ケアでは、Type 4を目標とし、Type 3〜5で本人の苦痛が少なく、生活上の支障が少なければ、おおむね許容範囲と考えます。
実際の記録では、Type 4を基準にして、それより乾燥しているか、水分が多いかを見分けると分かりやすくなります。Type 4は、いわゆるバナナ状で、形があり、表面がなめらかで、過度に硬くも水っぽくもない便です。これより乾燥してくると、表面にひび割れが入ったり、塊が目立ったり、コロコロした便になります。つまり、Type 1〜3は、水分が少なく乾燥方向に傾いた便と考えることができます。
一方、Type 5以上は、便に水分が多くなり、形が保ちにくくなった状態です。ここで大切なのは、「崩れるかどうか」だけでなく、液体成分があるかどうかを見ることです。少しでも水分がにじむ、紙やおむつ、便器、床などに液体成分が付着するような便は、Type 5以上として考えます。さらに泥状で形を保てないものはType 6、水のようにほとんど形がないものはType 7と判断します。
たとえば、犬の糞を拾う場面を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。床や道路を汚さずにそのまま拾える便であれば、少なくとも水分がにじむ状態ではなく、Type 3〜4程度までの便と考えやすくなります。一方で、拾ったあとに床や道路に液体成分が残る、または拭き取りが必要になるような便であれば、Type 5以上の軟便として考えます。
排便日誌に記録するときは、出始めの便ではなく、最終的に排出された便の性状を記録します。腸管内の状態は、最初に出た便よりも、最後に出た便の状態に反映されやすいからです。たとえば、最初に硬い便が出て、最後に軟便や水様便になった場合、腸管内には水分の多い便が続いていた可能性があります。下剤の効果を評価するときにも、最後に出た便の性状を確認することが重要です。
ブリストルスケールは、単に便の形を分類する表ではありません。便性状を記録することで、便が硬すぎるのか、ちょうどよいのか、軟らかすぎるのかをチームで共有しやすくなります。下剤を使用している方では、Type 1〜2が続く場合は便が硬すぎる可能性があり、Type 6〜7が出る場合は下剤が効きすぎている可能性も考えます。排便回数だけでなく、便性状を確認することが、排便ケアを調整するうえで重要です。
引用元:Lewis SJ, Heaton KW. Stool form scale as a useful guide to intestinal transit time. Scandinavian Journal of Gastroenterology. 1997;32(9):920-924.
POINT ブリストルスケール
- ブリストルスケールは、便の形や硬さを7段階に分類する指標である
- Type 4のバナナ状の便を基準に、乾燥しているか、水分が多いかを見分ける
- Type 1〜3は、水分が少なく乾燥方向に傾いた便である
- Type 5以上は、少しでも液体成分がある軟便として考える
- 床、道路、紙、おむつなどに水分が付着する便は、Type 5以上と判断しやすい
- 排便日誌には、出始めではなく、最終的に排出された便の性状を記録する
- 目標はType 4、許容範囲はType 3〜5を目安にする
update : 2026.09.04