排便のメカニズム

消化・吸収のメカニズム

便の形成・体内から腸管への水分の移動(2)

医療法人社団俊和会 寺田病院 神山剛一

便の形成

さて、消化酵素によって分解された栄養素は、小腸で吸収されますが、食物繊維などの消化されなかったものは、消化液の中に混ざったままです。小腸に流れ込む9リットルのうち7リットルぐらいは栄養素と共に小腸で吸収され、残り2リットルが大腸に入ります。食物繊維が混ざったこの2リットルは、完全に水のような状態です。大腸では主に水分や電解質が吸収されるので、食べもののカス(食物残渣)だけが集められ、それが固まりとなったものが便になります。

小腸 小腸に流れ込んだ9Lは、栄養素と共に小腸で7L吸収される 上行結腸 残りの2Lが大腸に注ぎ込む 下行結腸 大腸は水分を吸収し、2Lの中の食物残渣が便塊となる S状結腸 直腸 図1 便の形成

体内から腸管への水分の移動

胆のう 胆汁はアルカリ性なので胃酸を中和する作用がある 胃 食物は胃から分泌される胃酸のはたらきによって溶かされる 膵臓 膵臓から分泌される消化酵素によって、食物は栄養素に分解される 胆汁と膵液は十二指腸へ分泌される 栄養素は胃液、胆汁、膵液といった腸液に溶けて小腸へ進む 図2 食べ物の形の形成

便の形は大腸を移動する時間と関係している 腸の中を早く流れると下痢になる 腸の中をゆっくり進むと固い便になる 消化管の通過時間:非常に遅い(約100時間)~非常に早い(約10時間) 1.コロコロ便 2.硬い便 3.やや硬い便 4.普通便 5.やや軟らかい便 6.泥状便 7.水様便 大腸の通過時間と便の形

身体の中に入った食べたものの形の変化を想像してみましょう。

食べものは、まず口の中で噛み砕かれ小さな塊になります。この塊は胃酸や消化酵素と言った消化液によって栄養素に分解され、目に見えないくらいのつぶつぶになります(図2)。
そしてこのつぶつぶは腸液に溶け込んだ状態で腸を流れていき、大部分の腸液は栄養素と共に吸収され、最終的に消化しきれなかったカスが大腸で固まりとなっていきます(図1)。

このように食べものの形の変化は腸のどこを移動しているかと関係していますが、同時に便の形は大腸を進む早さに関係しています。

何故ならば大腸に到達する時はほぼ液体の状態なので、水分が吸収されずに大腸を素通りすれば、水のような便になります。逆に大腸の通過時間が長ければ水分の吸収が進み、便はコロコロ、カサカサになっていきます。