下剤に頼らない排便ケア

排便コントロールのアプローチ

骨盤底筋訓練とバイオフィードバック療法

医療法人社団俊和会 寺田病院 神山剛一

骨盤底筋とは文字通り骨盤を底から支える筋肉群で、肛門括約筋や肛門挙筋で構成されます。骨盤底筋は排尿や排便に影響を与えると言われており、従ってこれらの筋肉を鍛えることにより、排泄障害の種々の症状を改善させる目的で骨盤底筋訓練は行われます。訓練には数種類のメニューがあり、肛門を瞬間的に締めたり、持続的に締めたり、また姿勢を変えて行ったりします。さらにこれらを1セットとして1日に5、6セット行います。訓練の効果は単に筋肉を強化するだけでなく、訓練を通じて括約筋の場所や締め方も意識しつつ、排泄に適した骨盤底筋の使い方を理解する狙いもあります。
一方、バイオフィードバック療法とは、骨盤底筋の活動をモニタリングしながら行う骨盤底筋訓練と言っていいでしょう。例えば肛門に圧力計を留置しながら訓練を行えば、締める力は圧力の変化としてモニターに表示できます。患者さん自身も画面を見ながら自分の力の加減を確かめられるので、筋肉の使い方の理解がより深まります。バイオフィードバック療法には、この他、排便に適した生活習慣や食事への配慮、正しい姿勢などの指導も含まれます。
バイオフィードバック療法によって排便障害の著明な改善が期待できるものではありません。しかしながら投薬による副作用や手術に伴うリスクはまったくないので、どんな人にも第一選択としてお勧めできる治療と言えます。

POINT 骨盤底筋訓練

  • 骨盤底筋群を意識しながら、肛門を締める訓練
    • 思いっきり締める
    • 少し抑えて締める
    • 瞬間的に思いっきり締める
  • それぞれ5回、これを1日10回
  • 改善が自覚されるまで4~6週間かかる