排泄ケアが語られる時、おむつを安易に使用しないことが常に戒められてきました。介護者の都合でおむつを使うことは高齢者の自尊心を傷つけたり、排泄の悪化につながることがあるからです。
排泄の障害とは、トイレでうまくできなくなることです。始めから、できないのではなく、たまに失敗する、ときどき失敗する、ほとんど失敗する、まったくできない、というように段階的に進行するのが一般的です。それは幼児の「おむつはずれ」のステップに似ています。ただ発達と衰退のベクトルが逆方向を向いているだけです。子どもたちは、トイレで上手に排泄できるようになるまで、おむつをしています。乳児のときはテープ止めタイプのおむつをし、つかまり立ちができるようになる頃からパンツタイプのおむつ(紙パンツ)に変えてもらいます。そして、トレーニングパンツやおねしょパンツを利用し、やがて卒業していきます。大人用のおむつも、障害の進行やケアの目標に合わせて、使い分けができるように、豊富な種類が揃ってきました。在宅で使用されている紙おむつの60%以上が、「寝た姿勢で使う」テープタイプから、「自立排泄を促進する」パンツタイプ(紙パンツ)に変わってきました。それは「まったくできなくなる」ギリギリのところまで、「トイレで排泄させてあげたい」と願う家族の支援の表れでもあります。
排泄ケアの考え方が進歩することでおむつも変わりました。また、おむつが進化したことで、排泄ケアも、被介護者の気持ちを大切に、進歩してきました。ケアの技術と用具の開発が互いに影響し合うサイクルが、これからの排泄ケアをさらに変えていくことを願って、このサイトを制作しました。



