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紙おむつの交換方法

座って交換する

安定したつかまり立ちができなくなっても、座位を保つことができれば、最後までポータブルトイレ誘導の介護を続けていきたいものです。

便失禁の改善のためにも、座っての排泄を

ポータブルトイレでの排泄成功の確率がかなり低下し、おむつを汚すことが増えてきても、紙パンツとパッドを利用して、ポータブルトイレに座っておむつ交換をする習慣を維持することには大きな意味があります。

たとえ便器への排泄がうまくできなくなっても、ポータブルトイレに誘導してもらっている限り、「トイレで排泄するチャンス」は残されています。そのチャンスは被介護者にとって、人間らしく生活している最後の実感といえるかもしれません。

特に、排便は座った姿勢をとらないと重力がかからず、いきむ力も出ません。朝食後のタイミングで便座に座る生活習慣を繰り返すことで、便失禁だけでも改善できれば、介護者・被介護者双方にとって排泄ケアの負担は大幅に減少します。

また、ポータブルトイレに移乗してからの脱衣は、つかまり立ちでの脱衣に比べて安定するので、転倒のリスクを回避できる利点もあります。

おむつ交換の手順

介護者はベッドから被介護者を抱き起こし、片足を軸に回転し、被介護者をポータブルトイレに移乗させます。ポータブルトイレはベッドのすぐ横にしっかり固定しておく必要があります。できれば、ベッドの高さにポータブルトイレの便座の高さを合わせておくと移乗させやすくなります。

ポータブルトイレに移乗させたら、介護者は被介護者の後ろにまわり、被介護者の両脇から両手を入れて、便座に深く安定して座るように被介護者の体を後ろにずらします。被介護者の足がしっかり床についていることを確認します。

介護者は膝をついて、被介護者の体を前に傾けます。

被介護者の手を介護者の首にまわし、介護者の肩に被介護者の体を預けるように抱きます。

介護者は被介護者の体を横に傾けて、反対側のおしりを浮かせ、浮いた側のズボンとパンツを引き下げます。今度は体を反対側に傾け、同様に浮いた側のズボンとパンツを引き下げます。何回か同じ動作を繰り返すことで脱衣します。

この姿勢で、パッドが汚れていればパッドを入れ替えます。紙パンツや布パンツまで汚れていれば、ズボンとともにパンツを脱がせ、パンツとパッドを交換し、足にズボンを通します。

被介護者が便座に座った姿勢で、被介護者の足をのせる低い台を用意しておき、そこに被介護者の片足をのせると、片方のおしりが浮きますので、介護者はそのすき間から手を入れて、陰部の清拭をすることができます。

パンツ、ズボンの着衣は、脱衣の逆の要領で行ないます。