快適に過ごすためのもれ対策

もれない工夫

おむつからのもれは、それを処理する介護者にとって大きな負担になります。
しかし、もれて一番つらい思いをするのは利用者本人です。
「もれない工夫」は高齢者の自尊心を尊重するケアにつながります。

もれない工夫

男女の違い(パッドの接点の取り方の違い)

女性
山型あて」と「谷型あて」を状況によって変える(尿は山型あてで吸収させ、軟らかい便は、しわをつくった谷型あてで吸収させる。パッドはおしり側に谷のしわをつくり、前は山型に折って尿道口をふさぐようにあてるのが基本)。
座った姿勢で前に流れるのを防ぐ。
あおむけ寝で後ろに流れるのを防ぐ。
男性
谷型あて」ができているか(一般的に、パッドをろうと状に組み立て、いったん溜めてから吸収させる谷型あてが適している)。ペニスを包む(はずれないかチェック)。はずれやすい場合は、もう1枚平らなパッドを、ろうと状にしたパッドを包み込むように、あてて補強する。ペニスが短い(4cm以下)場合、ろうと状のパッドからペニスがはずれてしまうことが多い。こうした方にはろうと状にしたパッドは不向き。ギャザーの高いパッドを平らに谷型に敷いてあてる。
あおむけに寝た場合、ペニスは下向きになるのが一般的。ただ、人によっては上向きの方が適している場合もある。それぞれの方に合ったパッドのあて方を考慮。

体型の違い

やせ型
パッドと肌の間にすき間や溝ができ、それに沿って流れ、もれる。ずれやすく、ギャザーが機能しにくい。
工夫

すき間を作らないように、女性はパッドを「山型あて」にして接点で吸収。すき間を埋めるように、もう1枚パッドを使って補強する。流れや広がりをせき止めるギャザーが高く、面積の広いパッドを使う。

肥満型
肌の溝やしわに沿って、思わぬ方向に流れたり、パッドがよれやすい。
工夫
流れる方向に広くパッドをあてる。パッドあるいはアウターを左右、前後にずらし、流れが広がる方向の面積を増やす対応。
拘縮・弛緩
山型あて」をしにくく、すき間や溝ができやすい。
工夫

足が開かない、膝が立てられない方におむつをあてるには、被介護者が横向きの姿勢で、パッドを山型に2つ折りにして、パッドの両端を持って、股間のすき間に挟み込み、左右にゆすりながら引き上げるようにあてる。テープ止めも同様に横向で股間に挟み込んで引き上げ、片方のテープを止め、体を反対向きに変換し、もう片方のテープを止める。体にフィットするようにあてるのは難しいので、すき間を埋めるように、もう1枚パッドを使って補強する。流れや広がりをせき止めるギャザーが高く、面積の広いパッドを使う等の工夫が必要。どうしてもうまくいかないケースは、おむつの使用を諦め、下半身をバスタオルでまき、シーツの上に横シートタイプの吸収シートを敷く。

動作や体位の違い

日常生活動作の違い
走る、歩く、車いすで移動、はう、ずる、膝で歩く、立ち上がる、座る、腹ばい、寝返る。
工夫

それぞれの方の残存する日常生活動作能力(ADL)に合わせて、その方の残存能力を阻害しないよう、アウターとインナーを組み合わせる。また、動きによるズレや流れを予測したあて方を工夫する。

排泄する時の体位(姿勢)の違い
あおむけ寝、横向き寝、うつぶせ、座った姿勢、立った姿勢。
工夫
排泄する時の姿勢によって起きる尿や便の流れの変化を予測し、アウターとインナーの組み合せ、あて方を姿勢に応じて変える。

量と性状の違い

量と回数
1回の尿量(昼間、夜間)、排尿回数(昼間、夜間)、1回の便量、排便回数。
性状
便の性状(うさぎの糞のような便、硬便、普通便、軟便、泥状便、水様便)、尿の勢い。
工夫

排泄日誌をつけることで上記を掌握し、状態の変化による排泄の変化を予測し、それに合ったパッドの吸収量、形状、面積を考える。