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排泄ケアの考え方

自立排泄の重要性

医療と福祉

ユニ・チャーム排泄ケア研究所

超高齢社会を迎え、さまざまな疾患や障害をかかえる高齢者が増加してきています。高齢者は加齢に伴い、医療ニーズも高まってきます。高齢者が急性疾患で入院すると、病院では命を救うための治療が優先され、2~3ヶ月後に退院してきた高齢者に胃ろうが造設されていたり、留置カテーテルが挿入されていたり、おむつを履かされているケースが少なくありません。安静が優先される医療現場では、1日24時間おむつに排泄させ、ベッド上でおむつを交換するケアもやむを得ないことなのかもしれません。

若年者の場合は、胃ろうも留置カテーテルもおむつも、一時的な応急の処置で、退院とともに外していくことができるケースが多いと思います。しかし、高齢者の場合、こうしたケアが継続されてしまう現状があります。退院してきた高齢者の要介護度が1~2段階あがっているケースがほとんどです。

高齢者は病院に入院している期間は、患者であり病人です。でも、ひとたび病院を退院したら、たとえ介護を必要としても、介護サービスを利用する生活者であるべきです。本来、医療の場から生活の場に戻ってくるためには、疾患の根治、充分なリハビリテーションが必要です。しかし、在院日数の短縮化、慢性期病床の再編、回復期リハビリ病棟の不足、リハビリテーションの日数制限等、制約のなか、介護保険適応施設や在宅に、疾患や障害を背負った高齢者が戻ってきます。福祉の現場に、生活機能回復のサービスが求められるようになってきました。病人をいかに生活者に戻していくか、高齢者医療、高齢者福祉に課せられた大きな課題です。

寄稿:船津 良夫(1998年~2017年 ユニ・チャーム排泄ケア研究所 主席研究員)